アプリ PAPIの使い方 説明書

アプリPAPIを大幅改良したため、このページを説明書として参照して頂こうと思い、記述しました。

最新アップデートのおしらせ 2023年1月~

動画の出力が出来ます

アップデートによって、パスを飛行している動画の出力ができるようになりました。

アプリ画面内でGoogle Earth用に出力をクリックすると

Google Earthで動画として閲覧できるKMLファイルを計算します。

出来上がるとこのようになります。
上記の…kmlを直接クリックすると、GoogleEarthが立ち上がって下記のようなパスが現れます。
このパスはアプリ「PAPI」で設定した緑のパスを正確に再現しています。

上からでは無く、コクピットからのイメージを見たい場合は下記のように操作して下さい。
水色に塗られた四角の右側にスライダーがあります。下図のAiming1240と書かれた右側です。
そこを左クリックして、下に動かしてスライダーを下に移動させて下さい。<-とてもわかりにくいです。
もしくはスライダーの下にある、下向きの▼をクリックしてください。

すると下記画像のように、「FlightPath」と「FlightMovie」が見えてきます。(これはGoogle Earthの不具合なのですが、致し方が無いと思います)

そこで、「FlightPath」を左クリックするとファイナルのパス上に移動します。移動先は緑の線の始点です。
「FlightMovie」を左クリックするとファイナルのパスからスライダーのGS(初期設定は140kt)で、設定したエイミングに突き刺さる(ノーフレア)動画の再生が可能になります。
再生時に、停止早送りなどは左下のボックスで操作して下さい。

衛星画像の改良

衛星画像の画面にPAPIの色が変わる地点を上から見られるようになりました。


アプリ PAPI 説明書
滑走路

プルダウンリストから滑走路を選択して下さい。
特別なケースですが、羽田空港の16L_RNP及び16R_RNPを選択すると、RNPアプローチを実施するときに2つ目のPAPIの位置及び角度(3.25度)がロードされます。これは通常のPAPIのすぐ近くにあります。
日本の滑走路に加えて、学生用に米国アリゾナ州のファルコンフィールド空港も加えました。
選択するとAIPからスクレイピングして作成したデーターベースから様々な情報がロードされます。

上記がその一部です

ILSが設置されている滑走路を選択すると、青い破線のGlideslopeの線が自動的に現れます。
また、PAPIの角度もILS用に変更されてグラフに表示されます。

降下角度

この説明は大変難しいのですが、おつきあいください。


地上気温を15℃に設定(何もしないと15℃になっています)した場合
 例えば降下角度を3度に設定した場合は
滑走路に対しても3度のパス、
気圧高度計で計算する座標に対しても3度のパス
で計算されます。通常の使用はこの15℃の設定で計算してください。

地上気温を15℃以外に設定(2つ下のスライダーで設定)した場合
 例えば降下角度を3度に設定した場合は
滑走路に対しては3度のパスになりません。
気圧高度計で計算される座標に対しては3度のパスで計算されます。
つまりこのスライダーで設定する降下角度は、高度計で計算された降下角度です。
例えば3度のパスで降下する場合(簡便式ですが)1nm進む毎に気圧高度計で約300feet降下しますが、真の高度は300feetの降下とはならずに、気温によって左右されます。
例えば気温が高いほど気柱は伸びているため、300feet以上の降下量になります。
なぜ気圧高度計で計算する座標に対しての設定にするのかという理由につきましては、気圧高度を基準にしたBARO VNAVに対応する為です。
BARO VNAVで公示されている例えば3度のパスはこのスライダーで3度を選択して表示される緑のパスに一致します。
BARO VNAV を使用したアプローチは気温によって滑走路に対するパス角が変化します。
実施しているパイロットであれば経験されると思いますが、夏場では地面(滑走路)に対するパスが高くなり、冬場では低くなります。
このアプリでは、その変化量を10°=4%という簡便式で再現しています。

Visual Aiming

パイロットの目がたどる線を引きます。Aimingとは狙う先のことです。

下図のように着陸の時に拡大する先がパイロットの目が進む未来方向を示します。これをAimingと呼びます。

スライダーで滑走路末端(スレッシュホールド)からの距離を調節してください。
右上のミニマップの緑の丸も連動するため、各滑走路に対して容易に指定できます。

地上気温

 デフォルトは15℃です。
通常はこの値を操作しなくていいのですが、BARO VNAVを実施される方や、深く学びたい方の為に作りました。
試しに降下角度を3度にしたまま、この値を15℃から例えば30℃にして下さい。
すると左側の気圧高度のスケールが瞬時に上に拡大して、それにつられて緑の線の傾きが深くなります。降下角度は変えていないのですが、どうしてでしょうか。
気温が高くなると気柱が伸びるために、気温が低いときの気圧高度よりも真高度は高くなります。
別の表現をすると、同じ高度計の読みでも、気温が高くなると実際の高度は低いときより高くなります。
この緑の線はパイロット主体の値でして、高度計と距離から計算される三角関数で描画しています。
つまり3nm=約1000feetの三掛けのパスです。

これを深く考えますと、真夏日の滑走路に対してPAPIを白白赤赤のままで降下したいときは、15℃の時よりも高度計に対しては浅く降下をしなければなりません。
一方、滑走路に対しては3度で降下をすることになります

とてもわかりにくいのですが、スライダーを操作して理解を深めてください。
なお、真高度のスケールは右にあります。

降下開始位置

グラフの左右の範囲を決めます。
何マイル先から降下を行うかをこのスライダーで決定してください。

グラフの高さ

グラフの高さをお使いの端末に合わせて調節できます。

滑走路勾配

滑走路の勾配が大きい時に設定してください。
鹿児島の34や小松の24等はセットすると良いでしょう。
アプリで自動的にセットできない理由は、滑走路勾配は一定でないことと、AIPから数字でダウンロードしにくいためです。
勾配はタッチダウンテクニックに影響します。

動画セーブ

緑のパスに従ったときのコクピットからの見え方をGoogle Earthで再現するためのKMLファイルを皆さんのPCに生成します。
なお、GroundSpeedを設定出来ます。
すなわち、大型機は大型機らしい、小型機は小型機らしいスピードで飛行する動画イメージになります。
Google Earthで見るためには地形のチェックボックスをONにしてください。
現在、全ての滑走路に対してPAPIの位置は正確に示されていません。
前後方向の位置は正確ですが、左右方向は大体の位置です。

↓はサンプル動画です(現在のバージョンではPAPIアイコンは〇で示されます)

広島RWY28の例 途中でPAPIが赤3つになります

米国のPAPI

米国のPAPIの基準を調べてみました。

https://aviation.stackexchange.com/questions/25044/what-is-the-horizontal-and-vertical-fields-of-view-for-a-vasi-and-a-papi-approac
http://www.faa.gov/documentLibrary/media/Order/FINAL%20FAA%20Order%206850.2B.pdf

米国では下記の角度でPAPIは設置されているようです。

この中のSTD_DECは日本のILS無しの滑走路の基準に合致し、HT.GROUP4_DECは日本のILSありの基準に合致しています。

そこで気になるのがファルコンフィールドのPAPIの角度ですが、4°です。
この空港ではそもそもILSのGlideslopeも4°なのでそれを考えるとリーズナブルな値ですね。

https://www.globalair.com/airport/apt.runway.aspx?aptcode=ffz