心が折れないGoogle Earth講座 その3 滑走路までの線を引こう

その3では次のパスを引いてみましょう。

福岡RWY16に着陸するためにILS16を飛行することを想定。
グライドスロープにインターセプトするAINOSからスレッシュホールドまでのパスを引いてみます。

早速AINOSの座標を公式情報から取得します。

AINOSの座標はAIS Japanの ENR4.から入手できます。

AINOS334059.54N
1302302.92E

と表示されていますが、注意が必要です。
それは60進法で記載されているという点です。
そのため10進法に変換します。
1度=60分=3600秒ですね。
334059.54N =北緯33度40分59.54秒=33+40/60+59.54/3600=北緯33.68321
1302302.92E=東経130度23分02.92秒=130+23/60+2.92/3600=東経130.38414

高度はILS16のチャートから2000feetですので、mに直します。
2000feet*0.3048=696m

航空機運航との接点
座標の記法には色々なものがあるので注意が必要です。
一見して10進法なのか60進法なのか判別が困難な記述もあります。


次にRWY16のスレッシュホールドの座標です。
その2で行ったようにGoogle Earthから取得してもいいのですが、公式な数値を元に計算してみましょう。


AISのRJFF AD 2.12に掲載されています。

333548.91N=33+35/60+48.91/3600=33.59692
1302635.47E
=130+26/60+35.47/3600=130.44319
スレッシュホールドの標高は右横のTHR ELEVを読むと15.0*0.3048=4.57mですが、スレッシュホールドを50feetで通過すると仮定しますと、65.0ft*0.3048=19.81mとなります

これらの数値をその2で作った「名前を変えた飛行ルート.txt」に入力(書き換え)します。

<coordinates>
139.7854,35.5370,1 139.774637386478,35.55209268572438,123.45
</coordinates>

<coordinates>
130.38414,33.68321,696 130.44319,33.59692,19.81
</coordinates>

メモ帳でこのように書き換えて、「福岡ILS16のパス.txt」という名前でセーブしたあとに

「福岡ILS16のパス.kml」というように名前を変更します。
変更後ダブルクリックすると下記のように表示されるはずです。


これを応用して本日、アプリ Flight Plannnerの「PAPI」を改修しました。
改修したのはアプリで計算させる所望のパスをGoogle Earthに描く機能です。
下図はこの機能を使って、羽田34Lで仮にPAPI横をAimingにしたときの、3度パスをGoogle Earthに描いているスナップショットです。

PAPI横の位置(スレッシュホールドからの位置)はグラフ右下に1474feetと記されています。
これを参考にしてVisualAiming(狙う先)を1470feetにセットしています。
グラフは瞬時に反映されますので、右側の「Google Erath用に出力」をクリックします。

3度でPAPI横(1474feet)を狙う緑の線を引きます

名前を見ていただければわかりますが、細かい設定が反映された名前になっています。RJTT34L_3nm_3deg_Aiming1470feet.kml です。

出来上がったファイルをクリックしてみてください。
バッチリPAPI横に突き刺さる3度パスのラインが引かれていると思います。

その4ではこのパス上を飛行する動画の作り方を紹介し、ついでにアプリ「Flight Plannner」の「PAPI」を改修する予定です。