計器飛行に向けて基礎中の基礎、エルロンの使い方をX-Planeで再現した下記の動画で紹介します。
動画はロール方向だけに着目して欲しいので高度計や速度計にぼかしを入れてあります。
また、Heading Bugは撮影時には270°にしたのですがなぜかReplay時には360°になってしまいました。
御理解ください。
かなりの長編でしたが、いかがでしょうか?
次にエルロンがいつも動いている人がいます。
これは一漕ぎ舵とは全く異なるものです。
これを模擬したものが次の動画です。
方位は変わっていないのに始終バンクがかかっています。
いわゆる無駄舵と呼ばれるもので、エアラインには向かない操縦の方法です。
ビデオの最後には、極端な例で恐縮ですがビックリ舵を再現しました。
バンクインディケーターを見ていないので方位が狂っているのに気がつかず、大きくそれてしまったことに気がついて、あわてて修正しています。
さて冒頭の一連の動画によって紹介しきれなかった点も含めて下記で改めて紹介します。
最初は20°の変針です。変針する角度の半分のバンクをとればいいとよく言われます。
確かにバンクを10°とるとこのように丁度いい感じです。
想像して頂きたいのは、10°バンクが確立された後、しばらくは操縦桿の横方向の力はゼロです。
従って、ロールアウトするまでの間、余裕が生まれます。
その余裕を使って高度や速度の修正をするのです。
次に紹介するのは20°の変針をあえて20°バンクで行っています。
このように慌ただしい事がわかると思います。
この操作をしながら同時に高度や速度の修正をするのは結構難しいと思います。
次は10°の変針を5°バンクで行っています。
見て頂くとわかりますが余裕もあって丁度いいと思います。
次は10°の変針を10°バンクで行っています。
バンクが確立したらすぐ反対にバンクをとるいわゆる切り返し操作になって、若干慌ただしいですね。
但し、時にはこのような舵を使わなければならないケースもありますので全く否定はしません。
さて、このように変針する角度がどんどん減ってゆきますと、5°変針、2°変針の時は?と疑問に思うことでしょう。
次は5°変針を2.5°バンクです。ちょっとバンクが深まっていますが、やり方は全く同じで、余裕もあります。
熟達するとこの舵を使うことが出来るようになります。
次は5°変針を5°バンクです。
5°バンクと切り返しですが、特に違和感はありませんね。
5°入れてバンクが確立したら反対側に5°入れればいいので、操縦も楽ですね。
いわゆる一漕ぎ舵と呼ばれるものです。
最後に2°の変針をごく僅かなバンクで操縦しています。よーく見ないとわからないと思います。
この操作はILSで低高度になったときに使う舵です。
さて、何気なくやっている操作ですが、真面目に考えると奥が深いのです。
特に一漕ぎ舵の理解は重要です。
5°以内の変針でしたらバンクを入れて、確立したらすぐ戻すという一漕ぎ舵をすることによって計器をそれほど見なくても変針できます。
次にロールレートを紹介します。
そもそもバンクを入れる操作の前提にはロールレートというものがあります。
ロールレートというのは、バンクが深まる、または浅くなる率でして、操縦桿を傾ける角度によって決まります。
次にロールレートが多い例と少ない例を示しましょう。
計器飛行の飛ばし方は半分以上、頭で飛ばします。
よーく考えながら操縦をしないとうまくいかないものです。
勉強ネタとして
バンクが確立できたときの変針量はロールアウトのタイミングに使うことができますか?
操縦桿の倒し方でどうしてロールレートが変わるのでしょうか?
大きなロールレートのおまけとしてヨーが発生しますが、その仕組みを説明できますか?
ILSのローカライザーが1/4ドットズレていてそのズレのまま飛行しているとき、何度の変針で修正しますか?